自治体の広告掲載の要綱と基準のつくり方
広告事業を始めるときは、どんな広告を、どんな手続きで載せるかを決めておく必要があります。多くの自治体は、要綱で全体の決まりを、掲載基準で広告の中身の決まりを定めています。このページでは、決めておきたい項目と、つくるときのコツをご紹介します。
要綱で決めておきたい項目
まず、要綱で決めておきたい項目です。広告事業の目的と、広告を載せる資産の範囲を決めます。市内の事業者を優先する、税の滞納がない、といった広告主の条件も定めます。
そして、広告主の選び方と審査の仕組み、広告の内容の責任や、掲載の取消しについて決めておきます。
| 目的 | 自主財源の確保など、広告事業の目的 |
|---|---|
| 広告媒体 | 広告を載せる資産の範囲 |
| 広告主の条件 | 市内の事業者を優先する、税の滞納がない、など |
| 選定と審査 | 広告主の選び方と、審査の仕組み |
| 責任と取消し | 広告の内容の責任、掲載の取消し |
掲載基準で決めておきたい項目
次に、掲載基準で決めておきたい項目です。政治や宗教、風俗などの、載せない業種を定めます。誇大な表現や誤解を招く表現、自治体がすすめているように見えるものなど、載せない表現も定めます。
あわせて、医療や不動産などの業種ごとの決まりと、広告主の名前や連絡先など、必ず書くことを決めておきます。
| 載せない業種 | 政治、宗教、風俗、公営以外のギャンブルなど |
|---|---|
| 載せない表現 | 誇大な表現、誤解を招く表現、自治体の推奨に見えるもの |
| 業種ごとの決まり | 医療、不動産、士業、金融、求人など |
| 必ず書くこと | 広告主の名前、所在地、連絡先など |
要綱と基準をつくる進め方
要綱と基準は、3つの手順でつくると進めやすくなります。まず、公開されている他の自治体の要綱と基準を、いくつか集めて比べます。次に、地域の業種や媒体の性質、庁内の方針を足します。
そして、判断に迷いそうな例への答え方を、あらかじめ決めておきます。
- 他の自治体の例を集める公開されている要綱と基準を、いくつか比べる
- 自分の自治体の事情を足す地域の業種、媒体の性質、庁内の方針を反映する
- 判断に迷う例を決めておくよくある問い合わせへの答え方を、あらかじめ決める
幅のある言葉は、例で補う
多くの基準は、最後に、そのほか適当でないもの、という項目を置いています。ただ、それだけに頼ると、担当者によって判断がぶれてしまいます。具体的な例と、迷ったときに判断する人や会議を、決めておきましょう。
その他適当でないもの、だけに頼らない
基準の最後に、そのほか適当でないもの、と書くことが多い。判断がぶれないよう、具体的な例と、判断する人を決めておく
まとめ
- 要綱で、目的、媒体、広告主の条件、審査、責任を決める
- 基準で、載せない業種と表現、業種ごとの決まり、必ず書くことを決める
- 他の自治体の例を土台に、迷う例への答え方も決めておく
公開されている決まりの例
説明のための例として、公開されている決まりをご紹介します。盛岡市は、全体の決まりを広告掲載要綱に、載せる広告の中身を広告掲載基準に分けて定めています。相模原市の基準には、人材募集、学習塾、病院、不動産、士業、金融商品など、業種ごとの決まりがまとめられています。
| 盛岡市広告掲載要綱 | 目的(第2)、広告主の資格(第6)、広告審査会(第9)、審査(第10)、選定(第11)、広告主の責任(第13)など |
|---|---|
| 盛岡市広告掲載基準 | 掲載の対象外とする業種(第3)、掲載しない表現(第4)、広告主の名前・所在地・連絡先の明示(第5)など |
| 相模原市の広告掲載基準 | 人材募集、学習塾、病院、施術所、不動産、士業、旅行業、金融商品などの業種ごとの決まり(第6条) |
広告主から見た基準
広告主の側から見た掲載基準の注意は、お客様向けの自治体広報誌広告ガイドでもご紹介しています。広告主に基準を分かりやすく示す参考にもなります。
よくある質問
基準は、媒体ごとに分けたほうがよいですか。
共通の基準を一つ定め、媒体ごとの決まり(大きさ、色、締め切りなど)は要領や募集の案内で分ける自治体が多くあります。ホームページのバナーなど、媒体の性質が大きく違うものだけ、補足の決まりを設ける方法もあります。
基準は、どのくらいの頻度で見直せばよいですか。
法令や国のガイドラインの改正に合わせて見直すことが大切です。あわせて、実際の審査で迷った例が出たときに、その答え方を基準や内規に足していくと、判断がぶれにくくなります。
